「天食」 泉昌之(原作:久住昌之、作画:泉晴紀)/晋遊舎

天食

「天食」
泉昌之(原作:久住昌之、作画:泉晴紀)/晋遊舎

知る人ぞ知るマンガユニット、13年ぶりの短編集。現代に生きる侍の、食への情熱とこだわり。(なんで侍なのかは、まあ置いといて♪)ただし、好物が主にジャンクフードというところが、情けなくて笑いをさそう。

初めての街で入る飲食店の選び方、注文の品が出てきて期待を裏切られたときの落胆、天ぷら定食を食べ進める順序、カップ焼きそばの美味しさについて、などなど誰もがなんとなく頭の中で考えてはいるけれど、わざわざ人に言わないようなことを、過剰なまでに高いテンションの作品にしてしまっています。

帯に"重箱の隅を全身全霊をこめてほじり描く"とありますが、まさにそんな感じ!ちなみに、帯には奥田民生の推薦文も。「俺もこんな風に曲を作りたい。というか、作っている。(奥田民生)」...民生にあまり詳しくないわたしには、ちょっとピンときませんが、この漫画が面白いことは確かです。

久住昌之は、他にも谷口ジローや弟の卓也ともマンガユニットを組んでいて、それぞれにいい味出してます。久住昌之名義ではエッセイもあり。「天食」の小市民的な笑いがツボに入った人には、久住家の父のビンボー臭い手作り作品をこっそり紹介した「工夫貧乏のシアワセ」もオススメします。

天食
工夫貧乏のシアワセ

blog comments powered by Disqus

この記事について

このページは、サトがDecember 7, 2009 12:20 AMに書いた記事です。

ひとつ前の記事は「「臨死!!江古田ちゃん」(1巻~現在4巻まで)瀧波ユカリ/講談社」です。

次の記事は「リアリズムの宿  つげ義春「旅」作品集 つげ義春 双葉社」です。

HOMEにもどる。 / Archive