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ロボピッチャー・かとうたかおのweblog

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2014年07月21日
時計

 あなたは腕時計をしている。
 別に急いでいるわけでもないのに、さっきから5分に一回の頻度で腕時計をみる。
 なぜだろう。

 なにかがおかしい。
 なにがおかしいのかは、はっきりとはわからない。
 でも、致命的に何かが狂っている。
 時間?
 今ほんとは6:23なのにこの時計は6:38を指しているのではないか。
 あなたは確かめてみる。こんな時のためにあなたは携帯電話を持っている。
 「たとえ少しくらいおかしなことがあったって、わたしはきちんと対処して、やりすごすことができる」とあなたは思っている。
 117を押す。
 乾いたトーンの女が、冷徹な声で時刻を告げる。
 「まもなく、6:23ちょうどをお知らせします」
 ピ・ピ・ピ・ピーン。
 あなたは自分の腕時計をみる。間違っていない。
 むしろ、この時報を告げる女の声の方が間違っているような気がする。しばらく聞いていたら「ぶふっ」っと笑い出すのではないか。ひょっとして彼女は笑いをこらえているのではないか。
 あなたは、まるまる20分も時報をを聞き続ける。もちろん、なにも起こらない。あなたは、諦めて、電話を切る。

 それでも、あなたはまったく安心できない。
 今わかっていることはなにかがおかしいってことで、なにもおかしくないってことはありえないのだ。もっと根源的で決定的な間違いがある。それがなにかがわからない。

 リバース。
 そう、リバースなのだ。
 あなたは、昨日友人とやっていたカードゲームを思い出す。リバース。
 自分の順番がやってくると思っていて用意したカードを出せない。あなたの前の人間がリバースのカードを出したのだ。突然、秩序は乱れ、当然のようにあなたの順番は逆に遠ざかっていく。
 「そんなバカな話があるだろうか?」とはあなたは思わない。なぜならそれは、歴然としたルールであり、それもまた秩序だからだ。
 むしろ「しかたがない」とあなたは思う。そんなことにまで文句を言っていては、この世界では生きていけない。

 あなたの腕時計は逆向きに回っている。
 それでも時間を正確に刻んでいる。
 あなたはそのことに気づいている。
 でも。なにかが違うと思うそのなにかが、それだとは気づいていない。
 あなたの腕時計は逆向きに回っている。
 正しい方向ではない。でも、なにが正しいかなんて、だれが決めることなんだろう。
 あなたは、それに気づかない。ただ、なにかがおかしいと思っている。
 まるでリバースのようだと。
 また今、あなたは時計を見た。
 さっき見たのは4分と28秒前だ。
 まあいいや、とあなたは思う。
 時間は正確だし、あなたの日常に影響があるわけでもない。
 ただ、「なにかがおかしい」と思いつづけていなくてはならないだけの話だ。

 ところで、これは、だれの話なんだろう、とあなたは思う。
 ひょっとして、わたしのことなんじゃないか。
 これは、あなたの話なんだろうか。それとも、僕の話なんだろうか。
 世界がぐるぐると回っている。リバースに次ぐリバース。
 上と下が右と左が静と動が正と邪がリバースに次ぐリバース。
 なにを信じてやろうか、なにを信じずにいてやろうか。
 さて、あなたは、なにを信じてみるのだろう。
 リバースだ。
 
 これは、あなたの話だ。
 あなたの、話だ。 
 話だ。あなたの。
 リバース。
 スーバリ。
 バリース。
 まるでまるでまるでなにかのようだ。 
 まるでまるでまるでなにかのようだ。
 までるでるまでるでまるかになうだ。

 冷蔵庫の音がうるさい。

kato takao** 21/7/2014 月曜日 04:20 | Link | TB (0) | コメント(1)
2014年07月13日
カジノロワイヤルからの脱出について

カジノロワイヤルからの脱出という、渋谷ヒミツキチラボで行われている公演がすばらしい出来です。
今日が公演二日目だったので、ふらっと観にいったのですが、ゲームがスタートする前からあちこちで歓声が上がり、オープニングのSHOWでは驚きと笑いが錯綜し、ゲームが終わる頃には圧倒的な達成感が会場を支配していました。

印象的だったのは、アイドルとして活動しているパズルガールズのたたずまいで、本当に唯一無二の存在感だった。
ちゃんとプロの顔になっていて、会場のあちこちに光を灯していた。
一つのチームに一人ずつアイドルが座るリアル脱出ゲームというコンセプトを会議中にふわっと言ってみたときは、確かに良いアイデアだとは思ったけれど、具体的にどんなことが起こるのかはっきりとは理解していなかった。
このシステムで二作品作った結果とんでもない境地にリアル脱出ゲームは達しているように思えた。
物語に触れる密度としては、今一番濃いのがカジノロワイヤルからの脱出かもしれない。

これのゲームを生み出した吉村女史は、今すばらしいクリエイターだなと思う。
そして、それを具現化しているパズルガールズも本当にすばらしい。

吉村さんと僕は、もうここ10年くらい一緒に「パーティーとはなにか?」について考えている気がする。
フリーペーパーを通じたパーティーを山ほど作り、一緒に司会をして、そこらじゅうのパーティー会場を一緒に見てまわった。
サンフランシスコ公演に一緒に行ったときに、行きの飛行機の中でポツリと「サンフランシスコからラスベガスまで2時間くらいなんだよな」と言ったら、がばっと身を起こして「それは行かないと一生後悔しますよ!!」と言った。
サンフランシスコ公演の三日目に12時間くらいのスキマを見つけてラスベガスに二人で飛んだ。
イベントの仕込をして、飛行機に飛び乗って、ラスベガスについて、ホテルに荷物だけ置いて、カジノに行って、三軒ほどカジノを移動しつつ、わあわあ遊んで、出発の直前までチップを握り締めていた。帰ってすぐにリアル脱出ゲームの会場に入って、また監修を続けた。
あの異常な弾丸カジノツアーがこの公演に繋がっているのなら、本当に素敵なことだなと思う。

カジノの持つワクワク感が「カジノロワイヤルからの脱出」には確かに息づいている。
あの特別な時間を待つ感じ、結果を息を呑んで祈るように待つ感じはまさにカジノの最高到達点そのものだ。
その瞬間がゲームに組み込まれるなんて本当にすごいことだと思う。
こんなすごいゲームが作れるなら、これまで吉村さんがカジノに投資したお金も十分回収できちゃったことだろう笑。

パズルガールズというアイドルチームがこれからどうなっていくのか僕にはよくわからない。
アイドルという生き物の未来が僕にはわからないからだ。
でも、あのすばらしい空間を作り上げてくれるチームであるならば、それはただのアイドルではなくて、もっと特別な何かにすらなれるのではないかと思った。
歌って、踊って、それにプラスして何かがある。お客さんの声がリアルタイムで反映され、それに応える彼女たちの所作から感動が生まれる。
そんなふうになればいいなと思った。

なんにせよ、現在のリアル脱出ゲームの一つの到達点にあるイベントだと思います。
カジノロワイヤルからの脱出は本当に絶対に遊んだほうがいいよ!

realdgame.jp/event/casinoroyal.html

kato takao** 13/7/2014 日曜日 02:48 | Link | TB (0) | コメント(0)

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