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2013年11月18日
巨大神殿からの脱出について

今、巨大神殿からの脱出の全公演を終えて、撤収も終えて、スタッフとのささやかなミーティングを終えて帰宅した。
「謎解きをフェスティバルにする」というコンセプトで作った公演。
僕らの原点にはフェスがある。
音楽フェスティバルを10年間作ってきたノウハウでリアル脱出ゲームを運営してきた。
リアル脱出ゲームを本当のフェスにするにはどうすればよいかをずっと考えてきた。

一公演3000人がどの程度の人数なのか作っているときにわからなかった。
なにせ世界記録だ。
まだ誰もやったことのない公演を作るのに、わかるはずがない。
恐る恐るやってみた公演が、アンケートを読むと驚くほど高評価で本当にびっくりしている。
かつてないほど、イベント会場で次の公演のチケットが売れ、びっくりするほどグッズ売り場に人が並び、かつてないほどたくさんの人たちに声をかけられ、関わってくれたたくさんのスタッフがまた参加したいと言ってくれた公演なので、多分成功といってもいいんだろう。本当に成功だったのか失敗だったのかは10年後くらいにわかることなのかもしれないけど。

もちろん、批判もたくさんありました。
でも、これだけたくさんの人たちが参加するイベントなら、当然批判は一定数ある。
僕はあまり批判を気にしないし、批判によって自分の意見を変えることもない。
大体自分の意見を変えないときのほうがうまくいくことを知っている。

だけど、今回は初めての規模の公演だったので、珍しく一日目の夜にアンケートを読み込んだ。
その中のとある漫画家さんが書いてくれた一通が、本当に胸が張り裂けそうになるくらい響いた。
そこに書かれていたことは、もう謎解きイベントの真髄といってもいいくらいのことだ。
だからここで詳細は書かない。宝物だから。
でも端的に言うと、「今回の前半の謎は、まるで日常のようだ」と書かれていた。

この数年間、強烈な流れに乗せられるようにやってきた。
最初に思いついたときの「物語の中に入れる体験を作りたい」という気持ちが揺らいだことは一度もない。
僕が作りたいのは質の高い謎ではなく、質の高い物語体験だ。
その理念を忘れてたわけじゃない。でも、ゲームの構造を意識するあまり、日常と非日常の区別を見誤っていた。
一通のアンケートのおかげでそれに気づくことが出来た。

詳しくは言えないけれど、その夜に謎の調整をした。
断じて言うが謎自体はほぼ変えていない。
しかし、謎を解くという行為を「作業」に感じさせない工夫をした。
それ以降の公演は、まるで別の公演のようにグルーブが生まれた。
謎は変えていない。演出も基本的には同じ。でも、ちょっと人の流れを変えただけで、がらりと景色が変わった。
その後はもうまるで奇跡みたいにイベントが勝手に動いていった。
初めてリアル脱出ゲームを発明したときみたいな発明を、僕らは今日したんだと思う。

一日目の公演が商品に値しないほどひどかったとは思っていない。
ただ二日目の公演のクオリティーが異常に高かっただけだ。
多分、世界中の謎解きイベントで、もっともたくさんの人たちが声を上げ、拍手をし、笑っていた公演だったと思っている。個人的にね。

今回の公演が成功だったか、失敗だったか。
それは来た人が決めたらいい。僕らが決めることじゃない。
でも確実に言えることは、僕らは3000人規模の謎解きイベントを運営するノウハウを手に入れたってことだ。
今回のイベントを糧に次はもっとすごいイベントを作ることができる。
3000人規模のイベントを制作できたからこそ作れる100人規模のイベントがあり、10人規模のイベントがあるのだと確信している。

久しぶりに、心から達成感を得られるイベントを作りました。
やってよかったな。本当にしんどかったけど、ちゃんと最後まで走りきることができてよかった。

関わってくれたすべての人たちに心から感謝を。
そして、クラタスというあのすばらしいロボットに最大級の賛辞を。
とんでもない熱量で作られているあの伝説のロボットは、きっと世界を変えていくと思う。

今回の公演で謎解きがフェスティバルになったかと問われたら、それはそんなことない。
あのロックフェスの熱狂にはまだまだ遠い。
でも、その足がかりはつかんだ。
次は、たぶん、出来る。

もっと書きたいことがいっぱいあるけれど、もう疲れが限界のようです。
少し眠って起きたら、京都に旅立ち「魔王城からの脱出」のデバッグ公演です。
さあ、立ち止まらずに、どんどん作ろう。
作れば作るほど、作りたいものが増えていくよ!!

最後に、一日目一回目の公演にお越しいただいた方々。
機材のトラブルにより。一部の映像が見られなくなってしまいました。
心からお詫び申し上げます。
今YOUTUBEとかで流せないか調整中です。
本当にすいませんでした。

では、みなさま。
また次の謎がある場所でお会いしましょう。
お元気で。
お越しいただき本当にありがとうございました!

kato takao** 18/11/2013 月曜日 03:47 | Link | TB (0) | コメント(0)

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