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ロボピッチャー・かとうたかおのweblog

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2009年05月28日
ライブやります!

 どもども。
 えーっと、いろいろライブの情報が決まってきていい感じですが、その勢いのスタートとして、まずはソロライブをします。
 5/29なので、ちょっと急ですが、なんだかずいぶんたくさんの人たちがでる素敵なイベントなのでぜひぜひ。
 ワゴンズの梶本くんはがんばっていてとても素敵な感じがします。
 井上ヤスオバーガーといい、同世代の人が頑張ってると「おれもまだまだやらねばならぬ」という気持ちになりますな。若造は敵っていう気持ちになりますな。みんなで仲良くがんばろうっていう気持ちが薄れますな。
 よーしやってやる、まずは目の前のライブを最高のものにしてやるぜ!という熱い気持ちでいますので、どうぞお誘い合わせのうえお越し下さいませ。

加藤ソロライブ
■ 2009/5/29(金)京都・VOXHALL
ワゴンズ梶本&VOXhall有堀プレゼンツ『星空のワルツを歌おう』
【出演】・梶本 浩司 (ワゴンズ) / 加藤隆生 / SiMoN / 井上ヤスオバーガー / 松井 省悟 (空中ループ) / ムッティー (NORTON) / KEEWO / 北小路 直也 (MILKBAR) / タカハシタクマ (ステレオタイプ) / EADGBE a.k.a chori
【時間】OPEN 17:30 START 18:00 (加藤の出演は7番目、20:45~の予定です)
【料金】前売¥1000 当日¥1500 Drink/Foodチケット¥1,000

 では、よろしくおねがいいたします。
 この日は晴れたら屋上で、幸せな気持ちでライブが出来るみたいです。
 屋上っておれ大好きなんですよ。
 なんか急にものすごく楽しみになってきた!

 ぜひお越しください!
 ぜひ!!!!!!!!
 予約はロボピッチャーHPのLIVEのところからできるはずです。

kato takao** 28/5/2009 木曜日 02:24 | Link | TB (0) | コメント(0)
2009年05月21日
終わらせないためのテキストが終わる。

 薄紅色の華やかな死が、気がつきゃ横で眠ってたんだ。
 僕は変わらず不安な顔で、生きていくための歌を探した。

 何かを定めてしまおうと思って、でもそんなふうにならなくて、じゃあどうしようかなと思っていると、いろんなことが不安定になってしまって、たぶんこのままでは良くないことになるなと、思う。

 眠っている時間と起きている時間の境目があいまいになってきて、どうやら今いる場所は最初にいた場所とずいぶん離れている。僕が望んだ場所からもずいぶん遠い。

 きっと彼女は今頃眠ってるだろう。
 月影はやさしくそこにいるだろうか。
 どうか、なにも彼女を傷つけませんように。
 僕が見ていない間も、彼女が無事でありますように。

 夢が続かないんですよ、と僕は君にいう。
 前はね、ふと目が覚めてももう一度眠ったら続きが見られたんだ。
 君はいう。あなたもう大人になってしまったのよ。
 大人になったのか、僕は。くすくす。だってもう180cm以上あるからね。
 君は笑って、僕に少し触ってくれる。そして言う。夢の続きは、目が覚めた世界で見たらいいわ。
 
 それはとても良いアイデアのように思える。
 僕は真っ赤な帽子をかぶって、夢の続きを生きる。生きる。
 メリーゴーランドを斬り殺し、べちゃべちゃのビスケットを君になすりつけ、軽やかに空をスキップする。
 僕の鼻歌は世界を3周半して、誰かがこっそりと食べたピーナッツバターの空き瓶に吸い込まれる。
 鼻歌は音符になってそこらじゅうの人たちを小突きまわす。みんなあざだらけになって笑ってる。
 彼らの作ったたくさんの切り傷から、こまやかなばい菌がちゅうちゅう吸い込まれていく。バイ菌は彼らを蝕むが、彼らはやけに陽気そうだ。けばけばしい色の輝きが彼らからほとばしる。
 世界が生まれながらにして抱えた原罪を、そのばかげたダンスで贖ってくれているのかもしれない。

 そんな夢の続き。
 忘れ物は計算ドリルの42。
 頭をかち割って出てきたのは、真っ赤な金魚。
 ちぎれて飛んだ僕のベロは、月影に守られて眠る君のほほにべちゃりとくっついた。
 
 もちろん君はおだやかに眠り続ける。
 僕の祈りは、いつも叶う。

 これは。
 この夢は、どこからやってきたのか。
 助けを求めて見渡しても誰もいない。
 君も、彼女も、彼も、だれもいない。

 踏切の音が聞こえる。
 朝がやってきたのだ。
 朝は夜を真っ白に塗りつぶし、彼らの罪を隠そうとする。
 彼らは真実を凌辱し、欺瞞と朝までやりまくった。
 でも、その行為も今は跡形もなく。
 かすかな精液のにおいが、残っているだけだ。

 いつまででもだ。
 いつまででもこのテキストは続く。
 君の見ているディスプレイでいうと、縦に2kmは続くだろうね。
 だから、いったん仮にここで終わりにしなくてはならないだろう。

 ああ、誰かが目を覚ました。
 2階から誰かが降りてくる。
 ここには僕しかいないのではなかったか。

 それにしても、もう終わりにしなくてはならない。
 僕の指は変形して、ずいぶんいやらしい形になってしまった。
 でもとても感じのいいいやらしさだよ。
 セクシーと言い換えてもいいかもしれない。
 ささやかなセックスアピールが指に宿ったというと、少し言いすぎかな。はは。

 どうしよう終わらせるための言葉が見つからない。
 このままじゃ朝が昼を連れてきてしまうよ。
 カラスが外で狂ったように泣き叫んでいる。
 狂ったカラスほど滑稽なものはない。
 あらゆる狂ったものの中で「狂ったカラス」が最高だ。
 漆黒の狂気だなんて!ああなんてださい!鴨川沿いにいるノースリーブの女の子くらい最高だ!

 もういくらなんでもだめ。
 いつまでもは続けられない。 
 いや、続けられるけど、続けてはいけない。
 僕はもう終わりにしなくてはならないだろう。
 僕は終わりを選ぶ。
 おしまいはきっと突然やってくる。
 終わりほど決定的にやってくるものはない。
 終わりほどくだらないものはない。
 あいつらは全員機関銃で打ち抜かれて、ザクロみたいになっちゃえばいいのに。

 さようなら。
 さようなら。
 またいつか会えるといいけど。

 もう朝ですよ。

kato takao** 21/5/2009 木曜日 06:09 | Link | TB (0) | コメント(0)
2009年05月19日
ここ最近の僕といえば

 久しぶりにというか、もう仕事をし始めて初めてくらいきちんと身の回りのことを整理し始めている。
 僕が自発的にぐんぐんやっているというよりは、SCRAP新入社員のF女史の力によるところが大きい。「大きい」という表現はかなり控えめな表現であって、もっと直接的に言うと「すべて」だ。

 彼女の力により、僕はなんとなくだけどそれなりに土日に休みをとるようになった。
 土日休むとなんとなく一週間にリズムが出る。
 以前はだらだらと360日くらい働いちゃったからなあ。

 金曜日の夜はヨーロッパ企画の公演を観にいった。
 大変なセット、意欲的なシステム、そこで織りなされる群像劇。
 革新と踏襲がないまぜになったような演劇だったけれど、極個人的な意見を言わせてもらえれば、僕にはいつもの興奮はやってこなかった。ヨーロッパ企画を見てこの程度の興奮で終わったのは初めてだった。
 しかし、気になっていろいろ感想を検索してみたらみなさん大満足のようなので僕がおかしいのかもしれない。
 僕が思ったのは「ヨーロッパ企画にだけできる群像」と今回用意されているシステムが微妙にずれているような気がした。それはしかし、今回の「システム」が僕が(誰もが)思う方向に進まないという大がかりなドッキリについていけなかっただけかもしれない。
 ただし、ではつまらなかったのかといえばそんなことは決してない。
 ヨーロッパ企画の持つ一般的であり革新的な「思考の飛躍」は今回も見事に成立している。 
 もし見たことがないのであればあなたは間違いなく損をしていると思う。
 まだいろんな場所での公演が残っているので、どうぞ見に行ってみてください。そして、感想を聞かせて下さい。

 土曜日は一日だらだら。
 ゲームをしたり、本を読んだり。久しぶりのだらだら休日。
 夜に飯田君がやってきて、対談をした。その様子はもうすぐSCRAPのHPに掲載される予定。

 日曜日はソロライブの日。
 いろいろとあって、ぐちゃぐちゃのままステージに上がって、ぐちゃぐちゃのライブをしてしまった。
 とても一生懸命歌った。一生懸命すぎて、ソロライブなのに後半喉を壊した。
 どんな風に受け取られたのかわからない。
 大会は素敵な箱でした。

 SCRAPのHPにて連載中の「編集長かく戦へり」その2がアップされました。
 普通に前後篇にしようと思っていたのですが、書いているとぐいぐい長くなったのでとりあえず「その2」にしました。いつまで続くのかさっぱりわかりません。なんとか最後まで書きたいものです。ちなみにほぼノンフィクションです。
http://www.scrapmagazine.com/wps/
 SCRAPHPは毎日何がしか更新されているので、よかったら時々のぞいてやって下さいませ。

 さて、僕は今決断をしなくてはならない。
 決断なんて、ほぼ毎日迫られているけれど、今抱えている問題はいつもより少し根が深い。
 僕はいつも理屈でものを考えて、思考を言葉に直し、できる限り客観的に物事を見つめて結論を出そうとしてきたけれど、今回はしばらく時間をかけて、自分の中に浮かんできた感情を頼りにしようと思う。
 いわゆる「感情の赴くままに」ってやつだ。
 理由をいちいち説明しなくて「いや、なんとなくそんな気がしたんですよ」で済ませるやつだ。
 
 あまりにも大事なことは、頭で考えても結論なんて出ない。
 僕の前にある道は二つだけだ。
 そのうちの一つを選びたくはないなあと思っている。

 わあ、なんか抽象的なことを書いちゃった。
 まあでも、そんな感じです。

 あ!
 ワンマンライブが発表されましたよ!みなさま!
 ロボピッチャーHPとかに書いてあります。
 まだ詳細は発表してませんが、関東の方は8/19を、関西のかたは8/22を空けておいて下さいね。
 


 今日、暗い便所で小便をしながら、自分が老いていくところを想像してた。
 僕はふらふらとおぼつかない足取りで、目の焦点も合わず、訳も分からず、歩いている。歌なんか歌えるような状態じゃないだろう。
 それでも生きてるだろと思った。
 頭ん中じゃ大冒険してるんだろう。
 たぶん。

kato takao** 19/5/2009 火曜日 05:06 | Link | TB (0) | コメント(0)
2009年05月17日
ソロライブやるで!!

 わーわー。
 今日おれソロライブでした!
 もう今日ですが、「加藤の日記見て来た!」って言ってくれたら前売り料金で入れるんじゃないかな。たぶん。
 もし入れなかったらビールでもおごります。

加藤ソロライブ
■ 2009/5/17(日)京都・CafeBar大会 「twiga!twiga!twiga! vol.2」
【出演】エルマーズ / ショコラティエ / 田中ケムル / ( 滝ヶ鼻温泉、LainyJGroove) / 望月道浩/ 加藤隆生
【時間】OPEN 18:30 START 19:00 (出演は5番目、22:00~の予定です)
【料金】前売¥1500 当日¥1800

 なんかソロが今日あるっていい感じ。
 ふらっと行って、ふらっと歌おう。
 友達の家でちょっと酔っ払って歌うみたいな気楽さでライブがしたいなあ。

kato takao** 17/5/2009 日曜日 04:32 | Link | TB (0) | コメント(0)
2009年05月15日
SCRAPについて

 SCRAPが株式会社になって1年たつ。
 つまり僕も社長として1年生き延びたわけだ。
 まあ、かなりしっちゃかめっちゃかだったけど、とりあえず生き延びることはできた。

 税金のことを考えたり、経費のことを考えたり、社員の給料のことを考えたりして、それなりに続けてきて、おかげさまで赤字ってことはない感じの経営状態であります。まあ、大儲けもできないけれどね。
 お金のことを考えて動くと、それはそれで楽しい。昔はお金のことを考えて動くと「良いもの」が生まれない気がしてたけど、お金の世界の良いものは「たくさんの人が良いといったもの」という意味なので経済界における「絶対的正解」といっても過言ではない、様な気もしたりしなかったり。

 いろいろあるけど、とりあえずつぶれもせずに一つの会社がなんとか1年成立していることを今はぼんやりと祝おう。やあ、よかったよかった。

 本当は京都でぼかぼかとサンドバッグみたいに働いてる人や、ふらふらとぼうふらみたいに漂ってる人たちを受け入れられるほど大きな器の会社にもなりたいんだけど、それはまだしばらく先みたいです。もうちょっと待ってください。

 会社を1年運営してみて、自分の情けなさがよくわかった。
 あんまり「自分の情けなさ」についてじっくり考えてみたことがなかったので、かなり驚くべき発見だった。基本これまでは自分の良い所についてしか考えなかったし、それを受け入れてくれない人とはつきあわなかった。
 今でもそういう傾向はあるけれど、「会社」というルールの中で自分を見たときに知らなかった部分がたくさん見えてくる。それがすごく刺激的で楽しいことだ。未来へのビジョンと過去への後悔と自己肯定の3つの要素がぐるぐる周りやがる。

 そういえば、最近結構blogをよく書いてるよなあと思っていたけれど、ここでは書いてなかった。
 SCRAPのHPでちょくちょく書いているのでよかったら見てくださいませ。

 http://www.scrapmagazine.com/wps/

 それから、ロボピッチャーの新曲が配信開始になった。
 「今日僕手紙を全部焼いたよ」という曲と「ファティコ」という曲。
 両方ともずいぶんと思い入れのある曲だ。
 もしよければ、なんとかダウンロードとかして聴いてみてください。

 ロボピッチャーの先日の東京ライブのレポがrecommuniに掲載されています。
 このテキストを書いてくれたのは、元SCRAPのスタッフの南日くんだ。
 いろんなことがつながっていくのがめちゃくちゃうれしい。
 http://recommuni.jp/feature/index.php/20090512

 あいかわらずだ。
 あいかわらず作っている。
 まるで息をするように、さっきまでなかったものを生み出していく。
 僕が通ってきた道に色がつくように。

 それをやめてしまった時、僕は僕でなくなるだろう。
 もしそうなってしまっても、君は僕のことを好きなんだろうか。
 

kato takao** 15/5/2009 金曜日 03:48 | Link | TB (0) | コメント(0)
scrapi
kato takao** 15/5/2009 金曜日 03:26 | Link | TB (0) | コメント(0)
2009年05月05日
歌いたくてしょうがないのです。

 夕方から飲み始めて、ずっと飲んでて、今も飲んでる。
 もう2時を回ってしまった。

 伊藤君と飲んでた。
 ああ、昨日の日記を読んだ人から「森さんだけ出てきませんね」というメールが来たが、実は昨日の日記に出てきた伊藤君はロボピッチャーの伊藤君ではない。現在あるラジオ局で働く伊藤君のことだ。
 彼とはすでに24年くらいのつきあいになる。僕の知り合いの中で最古のひとだ。簡単な言葉にすると幼馴染というやつかもしれない。

 伊藤君と二時間くらい飲んだかな。
 静かに飲んだけど、ずいぶんと深かったような気がする。
 時間が豊かにたゆたっていた。
 いくらでも話せそうな気がしたから、電気を消すみたいに飲むことをやめた。

 僕はそこから歩いて帰ろうと思って、それはずいぶん長い距離で、まあ京都をわかる人のために書くと、四条大宮から鞍馬口駅まであるいた。
 たぶん普段なら一時間くらいで歩けると思うんだけど、かなり酔っぱらっていたから2時間以上かかった。
 途中で、いろんなことを思った。
 いろんなお店がつぶれていて、いろんな友人の家がなくなっていた。

 時間が流れている。
 僕が知っているものが減っていく。

 最近生と死についての話をたくさん聞く。
 彼女ははっきりと「死んでほしい」とある人物について言った。
 僕はなにも言えなかった。
 その言葉は、憎しみから発せられたのではなく、諦めからでもなく、純粋に優しさから発せられた言葉だったから。

 二時間かけて歩いて帰ってきて、なぜかずっと「スローバラード」を歌っていた。
 「悪い予感のかけらもないさ」という歌詞について考えていた。
 なぜ「いい予感ばかりだ」と歌わなかったのだろう。
 いい予感ばかりだったのではなくて、悪い予感ばかりだった人生がその時吹っ切れたんだろう。彼女と市営グラウンドの駐車場で寝ているときに。
 体中から悲しみがやってきて、声をあげて泣いた。
 彼には、悪い予感がいつもあって、それがなくなった瞬間にスローバラードを書いたんだ。
 どうか、どうか、少しでも穏やかな場所で眠って下さい。
 僕らの心を動かし続けた分、穏やかな場所に彼がいけますように。
 もし神様がいるのなら、どうか。

 忘れてしまったことがたくさんあって、時折大変な勢いで思い出す。
 そして、失ってしまったものを知る。
 知らないうちに僕は、何かを守ろうとしているのではないかと思った。
 まだ何も成し遂げてなんかいないのに、この小さな城を守ろうとしている。なんと愚かなことか。
 まず壊そう。
 壊してしまえば、どうせなにか生まれる。
 それが何かは、いつかわかるに決まってる。

 どうしようもなく歌を歌いたくて。
 ずっと道を歩きながら歌っていて。
 生まれて初めてカラオケに一人で行ってみようかとすら思ったが、誇りにかけてやめた。
 5/5。今日僕はライブがある。
 歌を歌おう。歌を。
 どんな人にも見に来てほしい。
 どんな事情があったとしても見に来てほしい。
 僕は、人生の中で、こんなに歌を歌いたいと思ったことは一度もないんだ。
 体中に歌があふれてる。
 大阪の福島のセカンドラインってところでやる。
 よかったら見に来てよ。
 とにかく今僕が、歌を歌えるという喜びを、かみしめるライブをする。
 今ライブが出来ない彼の為のライブはできないけれど、ライブが出来るっていう喜びは歌えるだろう。

 

kato takao** 05/5/2009 火曜日 03:38 | Link | TB (0) | コメント(0)
2009年05月04日
彼について

 昨日の夜は、古い友人たちとずいぶん飲んだ。
 相変わらずだ。
 ぶらっと飲んで、近況をちょっと話して、新しい遊びをしたくなる。
 でも、もう町には僕らが望む遊びは転がっていない。
 仕方がないから、僕らはただただ飲む。
 僕は酔っ払って、少し偽悪的な気分になって、町を歩く人たちにつばを吐きたくなるけれど、寸前でガマンする。そんなことしたって何の意味もない。もう知ってるんだ。

 タクシーで、友人と乗り合わせて帰る。
 家に着いて、PCを立ち上げる。

 彼が死んだことを知った。

 そのニュースは大泉洋が年上のプロデューサーと結婚したニュースと並列で語られていた。
 僕は酩酊していて、その見出しをクリックすら出来なくて、大泉さんの結婚のニュースをひとしきり読んだ。
 読み終わって、TOP画面に戻ったが、やはり彼は死んだままだった。 
 記憶が逆流した。

 あれは一体いつだったか。
 12年前くらい?たぶん。
 僕は彼のライブを西部講堂で見た。
 今なお友人である伊藤君と見に行ったそのライブは、びりびりと空気を震わせて、心を沸き立たせ、僕の細胞の中で眠っていたロックを呼び起こした。今この場所で、この音楽を聴いている時間が、絶対に正解だと思った。音は僕の細胞の隅々までいきわたり、今に至るまで消える気配は毛頭ない。
 
 友人と別れた後、僕は一番近くにあった電話ボックスに飛び込んで、ありちゃんに電話した。
 深夜だったかな。ありちゃんはずいぶん冷めた感じで。僕はただただ熱くて。
「すごいライブを見たんだ」
「うん」
「音楽が会場を満たしていて、僕の身体にも深々と突き刺さったんだよ」
「うん」
「バンドが一つになっていて、みんなで同じ方向を向いていて、音の塊がこっちに向かって来るんだよ。
「うん」
「あんなバンドをやろう。ありちゃん」
「うん。やろう」

 そんな会話。
 確か20歳くらい。
 バンドを始めて作って、まだ一年くらいの頃だ。

 ふと、このまま起きていたら悲しくて身体が千切れちゃうんじゃないかと思って、一気に寝た。
 夢は見なかった。

 音楽を始めてすぐだ。
 彼に声が似ているねと言われた。
 嬉しくて嬉しくて。モノマネみたいな歌い方をしばらくしてた。
 初めてギターで弾けるようになったのも彼の歌だ。
 擦り切れるくらいビデオを見て、必死でコピーした。
 MCをまねてめちゃくちゃすべったことがある。
 「ロックンロールは死んでないよ。だって彼が生きてるやん」って言った事がある。
 彼が死んだ今、ロックは生きてるのか、死んでるのか。どっちでもいいな、そんなこと。
 
 何人かの人たちからメールが届いた。
 死んだね。
 残念だね。
 悲しいね。
 僕はたぶん、死んだ魚みたいな目でそのメールを読んで、今に至るまで返事を返していない。
 この日記を書き終えたら、みんなに返事を書こう。 

 「君を呼んだのに」という曲が好きで、その頃付き合ってた彼女に聞かせた。
 暗い曲ねと彼女はいい、僕はそうだねといった。
 こんなに、そのときの僕にぴったりの曲はなかったんだ。


バイクを飛ばしてもどこへも帰れない
バイクを飛ばしても帰りつづけるだけのぼくらは
寄り道をしてるんだ

描き上げたばかりの自画像をぼくに
ヴィンセント・ヴァン・ゴッホが見せる
絵の具の匂いにぼくはただ泣いていたんだ

自動車はカバのように潰れていたし
街中が崩れた

それで君を呼んだのに
それで君を呼んだのに
それで君を呼んだのに
君の愛で間に合わせようとしたのに

親愛なるブロック塀
その向こうに意地悪く
ぼくから取り上げたものを
隠したりひやかしたりは
もうしないでくれよ

クスリを飲んで眠れ 副作用で起きて
何を見せびらかそう

それで君を呼んだのに
それで君を呼んだのに
それで君を呼んだのに
それで君を呼んだのに
それで君を呼んだのに
君の愛で間に合わせようとしたのに

 残念ながら僕には、彼女の愛では間に合わなかった。
 たくさんの気持ちを抱えたまま、今日も眠ってしまおう。
 たぶん、あと何日かしたら泣くと思う。

kato takao** 04/5/2009 月曜日 01:40 | Link | TB (0) | コメント(0)

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