« 4月のある土曜日の散歩 | Main | 謎夏について »
2015年06月25日

確か去年の末ごろに、飯田君が「ZEPP TOUR今年はどうする?」と聞いてきたんじゃなかったかな?
もう時系列は覚えてない。
でもまあ、とにかく今年もZEPPについて考えなくちゃいけないんだなあと半年以上前に思ったことは確か。
どうしたらいいのかをつらつら考えていたときに、ふとファッションとコラボしてみたら面白いんじゃないかと思った。
まだコラボしたことないし、ファッションの世界の人々にはまだ「謎解き」は届いてないだろうと思ったし。
もちろん、宣伝としてはエルメスのイベントを作らせてもらったり、東京ファッションウィークでイベントをやらせてもらったりはしたけれど、ガッツリコラボというかファッションを真正面から受け止めつつゲームを作るということはしたことがなかったから、やってみたいなと思った。

なんとなく頭の中でファッションをころころと転がしていると、どうもファッションという言葉の定義がどんどん膨らんでいって、最終的に僕の中で「戦争を止めるための日常的な手段はファッションなんじゃないか」と思い至った。
その頃にプロジェクトメンバーに送ったメールをここで公開。
今回のイベントはこのメールから始まりました。

--------------------------------------------------------------------------------

深い闇に落ちているZEPP TOUR2015ですが、大まかにイメージを作りました。

発想の起点はファッション。
ファッション謎解きでなんか出来ないかなと。

ファッションで最近思っていることを個人的に書くと、「なんのためにおしゃれするのかな?」。
個性を外に出すためにとか、もてるためにとか、気持ちが華やぐからとかいろいろあると思うけれど、僕はじつは根本的には「おしゃれは反戦への志である」と思っている。
おしゃれしてたら暴力も振るいたくないし、おしゃれしてたら人に悪く言いたくならないし、おしゃれしてたら戦争だってしたくなくなる。
素敵なものを身につけるってのは、何か得体の知れない悪意に対するたった一つの明確な反抗の意思なのだ。

ヘイトスピーチをしてるやつにおしゃれな奴は一人もいない。
確認したわけじゃないけど、たぶんそうだ。

そんなことを思ってたら素敵なファッションとは何かを考えたくなってきた。
少し前に飯田君が僕にラインで「自分のこだわりのあるものにはいくら金を使ってもいい!それは成金じゃない!」と送ってきたことがあって、それは本当に素敵な言葉だなと。
おしゃれとは何かに対しての一つの答えであるとすらいえる。

つまるところなにがいいたいかというと、リアル脱出ゲームにはなんらかの「悪」が必要です。トラブルと言い換えてもいいけれど。
それに立ち向かうのは「素敵なファッション」というゲームを作れないかなあと。

ファッション、すなわち身の回りの素敵なものが世界を救うっていう、当たり前のメッセージを世界中に投げかけてやりたいぜ、ってのが今年のZEPPのテーマです。

----------------------------------------------------------------------------

いま確認したら、このメールを社員に送ったの1月22日だった。
ちょうど半年前ね。
もちろん長い製作期間の中でこの概念がそのまま純粋培養されたわけじゃない。
ゆがんだ部分も足された部分も削られた部分もある。
でも、根っこの部分にある「ファッションをテーマにやってやるぞ!」っていう熱量はこのメールの中に全部ある。

僕はこんなふうに、社内にメールを投げることで企画の大まかな全体像を掴むことがよくあります。
一番身近で一番僕のことをわかってくれている人たちに投げかける言葉はどうしても責任が重くなっちゃう。
だから、彼らに投げかけられるほど確信のある熱い文章が書けるかどうか、がそのイベントの成否を決めたりもします。

あれから半年経って、タイトルは「仕立て屋シャルロッテの秘密」になりました。
あのメールからはじまった半年間で何が起こったのか。
ぜひ、目撃しに来て下さい。
「仕立て屋シャルロッテの秘密」
7月17日スタートです。

http://realdzepp4.com/

Posted by kato takao at 2015年06月25日 05:05 | TrackBack
みんなのコメント

いつも夫婦でリアル脱出ゲームに参加しています。
冬に出産予定のため、今夏がリアル脱出ゲーム納めになりそうです。
だから最後の公演は、絶対にzeppツアーと決めていました。
たくさんドキドキワクワクさせてくれたscrapに感謝の気持ちをこめて、シャルロッテを全力で楽しんできたいと思います。

Posted by: no name on 2015年07月14日 00:56

今の加藤さんは幸せです。少なくとも私にはそう見えます。
加藤さんは過去に戻りたいと思ったことはありますか?
もしもあの日に戻れたらとよく考えるのですが、きっと延々とループし続けるのでしょうね。だから働き、愛し、迷い、生きる。
もし もう終わりだ と思ったらどうか思い出してください。

この地は回転している、気付いていないだけで。

シャルロッテは後の記憶をもってして過去に戻れたらどんな選択をしたでしょうか
新入社員のYちゃん、彼女は大事にしたほうがいいですよ。

Posted by: on 2015年07月31日 02:32
comment する

















*POSTを押しても自分のコメントが見えない場合、一度ページの更新をしてみてください。
*HTML不可です。
*アドレスは入れると自動でリンクになります。
*管理者の判断でコメントを削除することがあります。