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2006年07月03日

 ども。
 ご無沙汰しております。加藤です。
 ばたばたしておりました。

 このところの加藤といえば、なかなかアクティブで猪突猛進な感じでありました。レコーディングは現在エンジニアとかコンピュータとかを使う方々ががんばっておられるので、文系男子たるわたくしは、一切かかわらず自分のことで精一杯な雰囲気を演出しておりました。

 そういや、先日ちょっとしたきっかけがあって、15年ぶりくらいに村上春樹の「ダンスダンスダンス」を読み返しましたが、まあなんつうか「孤独」とか「自己の発見」とか「その上での社会とのやりくり」みたいなキーワードがあそこまで如実に書かれていたとは知りませんでした。なるほど、ど真ん中だったわけだ。
 今読んだら、そのまっすぐな表現を敢えて避けたうえで、きちんとした物語を構築する感性はやはりもうすごい物があるなあと思う反面、さすがに孤独や自己の発見が自分の第一のテーマとしてはもう読めない分、当時のようなきちがいじみた吸収力で読み進めていくような読み方は出来ませんでした。まあ当たり前か。
 それにしても、まあ、素敵な小説だと思います。
 もし未読の方は、その前作「羊をめぐる冒険」から読まれるのをお勧めします。よかったら読んでみて下さい。

 さて、そんなレコーディングが一時的にストップしている一週間に何をしていたかというと、なかなか大活躍でした。
 まずは、SCRAPの企画を創りました。
 次号のSCRAPはひょっとするとひょっとしますよ。もう世界とかに飛び立っちゃいますよ。いや、それは嘘だけど、これまでとは違った、またおかしな展開になると思います。現在SCRAPの豪腕スタッフたちが必死で制作しております。ものすごく大変な仕事を途中までやって後はどーんと丸投げしてやりました。がんばれー。

 SCRAPの豪腕たちが、電話をかけまくったりいろんな人に会いまくったりしているうちに僕がどこへ行っていたかというと、東京に行っておりました。しかも、ロボピッチャーのライブでもプロモーションでもなんでもなく東京ですよ。うわー、なんか、出来るサラリーマンみたい。
 で、なんで東京に行ってきたかというと、先日も少しだけ書きましたが、ヨーロッパ企画主催の「ショートショートムービーフェスティバル」にSCRAPの創ったアニメが出展されたので、一言コメントをしにいったのです。結果は惨敗でしたが、まあ、いとうせいこうさんとしゃべれたし、ヨーロッパのメンバーとも楽しくしゃべれたりしたのでよかった。ただ、その場に何人かのテレビや映画に出ている有名な方がいたそうなのですが、僕はまったく存じ上げず、ちょっとお互い気まずい空気などを作ってしまったのが悔やまれます。
 それにしてもヨーロッパ企画はすばらしい。
 こちらもぜひ機会があったら観に行ってみてください。外れることはまずありません。

 で、おい、お前、そんなことのために東京まで行ったのかよといわれる方もおられるとは思いますが、いえいえそうではありません。営業だってしましたし、楽しい飲み会もしましたし、古い友人とさまざまな考察を飛ばしあい、流し合い、時にクロスカウンターのごとき結論にたどり着くなどのおかしな非知的な理知的空想話で盛り上がったり、新進気鋭の写真家さんにお会いして自説ををとうとうと述べ、なんとなく微妙な空気になりながらもまあなんか「心の距離は広がったけど、魂の距離は近づいたよね」みたいな感じになったりと、もう大活躍でしたとも。

 そして、東京での楽しくも切ない二泊を終え、新幹線で京都に帰ってきた日にソロライブでした。
 見に来てくれたみなさまありがとう。
 ひょっとしたらちょっとだけ疲れが出てしまったでしょうか。でも、今までで一番素敵に「流星」という歌を歌えました。ラスト2曲くらいで突然首が痛み始め、少しだけびっくりしてしまいましたが、声はきちんと出ていたのでまあなんとか最後まで歌えました。

 この日はとても特別なライブでした。
 僕の音楽を昔から知っている人は僕がハラッパ=カラッパというバンドをやっていたことをご存知でしょうし、そのころによく「フテハリ」というバンドの名前を聞いたことがあるのではないでしょうか。
 僕の知る限り、フテハリの梅ちゃんほど素敵な歌詞を書く歌うたいはいません。体中から言葉が出てくるようなその佇まいは僕の憧れであり、また嫉妬の対象でした。
 さまざまな事情でもう何年も活動を休止していたフテハリが、その日の対バンでした。ライブ前にフテハリの梅ちゃんと少しずつ話をして、お互いにどんなことがあったかを話して、始まったライブは衝撃的でした。
 ブランクを感じさせない歌と、ややブランクを感じさせるギターと、そして異常なクオリティーの楽曲と、当時の名曲の数々。もう青春グラフィティーですよ。「たにし」とか「黒い雲」とか「手のひら」とか。当時僕が嫉妬し続けた名曲の数々がまたうたわれていて、会場にはたくさんの懐かしい顔が戻ってきていました。
 繋がっている、と思った。
 音楽が繋げているのでしょうか。それとも、それはただのノスタルジーが繋げているだけかもしれない。
 でも、確かに繋がってる。
 その後の打ち上げは、もう数年前の僕なら、店長さんや出演者と朝までものすごい量のビールを飲み続け、わあわあ騒いで喧嘩して仲直りして喋り捲ったことでしょうが(そしてそれは今でも時々起こることではありますが)、その日はステージで走った首の痛みがとれず、早々に引き上げました。といっても帰ったのは二時でしたが。

 その翌日も痛みは引かず、生まれて初めて整体に行きましたが、一向に良くならず、二日たった今日に至っては頭痛が激しくなり、動くたびに後頭部がじんじんします。あと排尿の時になぜか頭がものすごく痛くなる。なんだそれ。おかげで目もくらくらして、あまり長いこと画面が見れなかったのですが、先ほど長時間ぬるま湯につかったらちょっとましになったので、その隙に久しぶりの日記を書いております。ああ、もうカラータイマーが点滅してまいりました。そろそろめまいがやってくるのかもしれません。めまいの中で書かれるテキストというのもなかなか情緒があるというか、ビートニクを感じてよいのかも知れませんが、これ以上人々に気の毒な人がられてもしょうがないのでそろそろ。

 あ、特筆すべきは「クロスゲーム」あだち充です。
 僕の人生では何人も「わたし、あだち充の漫画に出てくる女の子ってきらいー」という女性に出会いましたし、僕もまあそれに対して「ああ、分かるよ、あれは男性視点での理想の女性がゆがんだ形で表出してるよねー」とかもうもっともらしい馬鹿なことを言ってましたが、実はタッチだってラフだってH2だって全巻読破だバカヤロー!それどころか、短編集とか日当たり良好とか、みゆきとかも読んだ記憶があるぞ。もう20年くらい前だけど。もうDNAに焼きついてんだよあだちがよお。
 そんなこんなで甘酸っぱい恋愛を書いて、恋に恋する若者たちをとりこにしていたあだち作品ですがもう酸いも甘いもたっぷりと味わっちゃった31歳男性の心を「甘酸っぱいラブコメ野球漫画」ごときが揺さぶれると思うなよー、なんて思ってたのですが、妹が買ってきたためふらりと読んできたら、もうね、体中から甘酸っぱい液体がどぼどぼとあふれ出てくるかと思わんばかりのこの甘酸っぱさへの過剰反応。なにこれ?ねえ。なんなの?
 まさか、恋に恋することはなくなったとはいえ、「恋に恋するころに恋している30代男性」としての自覚が芽生えてきたのかしら。ええー。大丈夫かそれ。少なくとも絶対にロックミュージシャンとしては大丈夫じゃねえだろう。まあ、ロックってなんかまあ勢いのことだからいいか。
 そんなこんなで、わあーパパーめまいがしてきたよー。あだちがーあだちがさー、あだちにはかなわねえよー。

 あ、いいこと思いついた。
 めまいが治らなかったらめまいとともに生きていけばいいんだね。こんな感じで、毎日ビートニクで。
 あと、加藤の現状ですが、足を蚊に7箇所ほど刺されております。そういうので萌えたりするのかなあ。

 そういや、MIXIのトップページにぜんぜんここでの日記が反映されないのよねー。なんでかしら。まあ、いいんだけど。
 あ、またいいこと思いついた。
 時々MIXIでわたくしも発見されて「応援しております!」というメッセージが来ますが、あの、遠慮せずにマイミク登録とかなんかしてくれていいですよ月間にしよう。7月は。めまいが大騒ぎだから大丈夫。あ、あと、ロボピッチャーコミュニティーにみんなで入る月間にしよう。僕は見に行ってないから悪口とか書いても大丈夫ですよ。さらに悪口とか書かれても怒らないから大丈夫。無視するだけだから。うん。うおーおれやさしー。
 今懸命な読者のみなさまは感づかれたかもしれませんが、体調の悪さから自粛していたお酒を50行くらい前から飲み始めました。友人がオーストラリアに新婚旅行に行って買ってきてくれた白ワインです。なんかめちゃくちゃうまい!めまいが酔いを呼んで、酔いがテキストを呼んでおりますなあ。もう今、完全に考えるスピードとテキストにするスピードが一致しております。テキストがおれなのか、おれがテキストなのかもうわかりません。こうして延々と何年も書き続けていったら加藤という人格がここに焼付け続けられるのだと思うと、もはやそれは異常な情景ですね。SFですらない、超文科系の冷凍睡眠、クローン人間、あるいは未知との遭遇の類ではないかと思うのです。

 げ、今8箇所目を蚊に刺されました。まあ、いいや。おれの血でよければやるよ。お前も必死で生きてるんだもんな。仲良くやっていこうよ。

 あ、最後に、ライブ情報を。
 ソロライブがいろいろと決まっております。

7月19日 (wed)
勝野タカシ
釘宮一也
加藤隆生(from ロボビチャー)
ラブラブスパーク
adv. 1800 yen with 1drink door. 2000 yen with 1drink
場所 UrBANGUILD
http://www.urbanguild.net/

7月22日(土)
涌井慎レコ発
『「涌井慎のララバイ」
リリースパーティ』
涌井慎(ex.the magicians)/
安井淳(8 1/2)/
デンドロカカリヤ(シゼンカイノオキテ)/
加藤隆生(ロボピッチャー)
場所 NANO
18:30 / 19:00
1000 / 1500

 などなど。
 あと、たしか、8月5日とか8/16日とかにもソロライブが入った気がするけど、その辺はまたおいおい。
 ソロライブ結構いいですよ。先日確信した。俺、ソロでもかっこいいわ。

 あーそういえば、ソロの依頼がすごく増えた時期に、でも一人でやると寂しいから伊藤君とやろうとかいって、一回だけスタジオに入ったなあ。なんか結構面白くなりそうだったんだけど、それっきりになっちゃって、この夏ロボピッチャーのライブもないし、ソロの予定はいっぱい入ったから、この機会にどうですか>伊藤さん。
 とかまあそんな、日記上でメンバーに連絡したりして、起こられちゃうかしら。いや怒られちゃうかしら。

 もーなんか、くらくらしてきた。
 あした、治ってなかったら医者に行きなさいってたくさんの人たちに言われたけど、この蔵蔵の中でこそ、いやくらくらの中でこそ(しかしこの蔵蔵って変換ミスは示唆にとんでいるな)創れるような創作物があるのではないか!!!!!いやっ!まあそんなことどうでもいいかっ!!!

 まあ、とにかく、本日の日記が一日でも早く、私のMIXIのトップページに反映されることを心から祈っております。

 そして、あなたが今考えている復讐劇がきちんと成就しますように。
 手を伸ばしたら触れる場所にぬくもりがあるってことが幸せとは限りません。
 言葉がいくつもの誤解を生み、齟齬を生み、軋轢を生んだとて、コミュニケーションを捨ててまで人と接しようとはしませんように。暴力が生み出す物は非暴力が生み出す物の見事に反対な物です。

 当たり前だ。

 ではみなさまにも、くらくらの神様からの恩恵がやってきますように。
 僕はもう眠ります。
 ああ、眠りとは究極のくらくらでしょうか。
 くらくらのまま見る夢は正しく蔵蔵の夢でしょうか。

 ともあれ、このいつまででも書ける日記を終わらすのは、どうやら、僕の意思のようです。
 だれにも、何の、指図もされない人生を標榜して来ましたが、それが実現したところで、とくになんの実感もないのは、既に僕らは生まれながらにして「生きろ」という指示が与えられしかも資本主義という世の中によって「裕福に生きろ!」という指示すら与えられているというこのシステムの中での見解の不一致というやつでしょうか。僕らがいつか感じるべき自由な開放感とはすなわち死でしかないのでしょうか。

 そんなはずないよな。

 と思いたいと思いながら。

 ねます。

 おやすみ。

Posted by kato takao at 2006年07月03日 03:52 | TrackBack
みんなのコメント

ちゃんとミクシィ日記に反映されてたんで、そっから飛んできました。よかったですね。

実は私もずーーーっとめまいが止まらないのですが、共存したらいいんですね。
これからは、タダでメリーゴーランドに乗ってる♪と思って生きていきます。

整体よりも整骨院の方が、経済的には楽かもですよ。

Posted by: やすえ on 2006年07月03日 17:46

寝てください。

Posted by: とむた on 2006年07月03日 23:35

「マイミク登録とかなんかしてくれていいですよ月間」と、「ロボピッチャーコミュニティーにみんなで入る月間」にウケました。
今月中にマイミク登録のメールしま~す。
ロボピッチャーコミュニティーにはもう入ってるので。

Posted by: T on 2006年07月05日 03:23

「恋に恋するころに恋している30代(直前)女性」です。
青く甘い作品にあうと、私も同じ気持ちになって慌てます。
でも、ま、それもヨシかな。

てか加藤さん、凄く長文だけど何分くらいで書いてるんですか?

Posted by: さなえ on 2006年07月05日 11:11
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