鶴坊=鶴坊
フラ=FLASHザ徒歩5分
栗本=栗本英明
じゅ=アイアムじゅんこ
じゅ:「みずきひろゆきくん」名義の一番最初のツアーが昨年の春だったでしょ?そのとき、私がちょうどインフルエンザになってしまって見れなかったんですよ。それで、北九州と東京、離れて暮らしている二人がどういうふうに一緒にやっているのかをまず教えてください。
鶴坊:なんでと言われたら好きだから…笑。
じゅ:もう知り合って10年くらい?それぞれバンドをやりつつ、そのバンドがお休みになってソロになって。一緒に始めたのは?
フラ:(一昨年の)夏にやったんよ。ちえみ(ジョーンズ)さんとまわって、帰りはぷらぷらツアーでまわって。
鶴坊:1回目の梅さん(ちえみジョーンズ)と帰ってからフラさんと二人になった。それで西くんたちとやってもらっとって。
じゅ:ということは3回目?
フラ:8月の梅さんは一昨年だ。結構前やね。
じゅ:一昨年の8月がきっかけ?
鶴坊:うん、ちえみさんと一緒。ちえみジョーンズと俺がツアーを一緒にやろうって言って東京まで行って、そんときは車で回りよることにしたけん、それで帰りにフラフラで半分後半、佐藤くんを連れてくることになって、それで後半、ちえみジョーンズは帰るけど、佐藤くん(フラさん)はまだ九州をまわるから一緒にまわろうかなと。それでまわってその時が楽しかったけん。
フラ:こんだけできると思って自信がついて今に至る。
じゅ:そんときはまだみずきひろゆきくんっていう名前もテーマもなくて、二人でお互いの曲を一緒にやってたの?
鶴坊:そう。その次に二人でまわろうって決まって、テーマは佐藤くん(フラさん)が作ってくれたの。
じゅ:そうなん、フラさんがテーマ作ったんや。
フラ:あんなん誰でもできるよ。
鶴坊:でも作ったっていうところがすごいよ。最初の頃はこの適当さ加減を表すのはすべてテーマやけんね。始めにこんな感じですよってやって、終わりにこんな感じで終わりますよって終わって。いまだにそんな感じやもん。
じゅ:お互い、ソロでもやってるでしょ。それでまた違う楽しみもあるでしょ。
鶴坊:いい意味でも悪い意味でも適当さを覚えたんだけど、その後も一人のときでも適当さから抜け出せんようになった…笑。
じゅ:適当が悪いわけじゃないしね。フラさんはどう?やる時の気持ちとか違いはある?
フラ:僕は3人バンドしか経験がないから、ギターの人がおったら楽だーと思う反面、鶴くんとは長いけん、(ライブで)こう出るとかこう出ないってわかるけん。リードギターの人とかサイドギターの人とかおったときの経験は楽しい。こんなに弾かなくても成立するんだ!…笑
じゅ:音源はどうやって作ってるの?
フラ:いい質問!すっげーいい質問!
じゅ:データのやり取りになるの?違うの?
鶴坊:ほんとに最後の最後はちょっとデータのやり取りもあるけど、とりあえずはツアー中、九州、熊本の西くんという、ウエストトーラーズレコード会長、ベーシストなんやけど、彼の家がものすごくいい家で、広くて、録音もできて…、やけん、泊まっとる間に曲を作ってそのままギターと歌だけを最初に録って、じゃあバイバイって言って、まだツアーの間やけん、その夜はツアーして…。
じゅ:ほなツアー中に新曲を作るってこと?一緒に合わせて形にして?ツアーからツアーの間は何もせずって感じなの?
フラ:そのベースの西くんがベースを重ねてドラムを重ねて、全体のバランスを聞いて、その上、こっちに来てダメ出しされたり修正したり…。で、俺も9月のツアーでレコーディングしたけど、2月のツアーに合わせて逆算して12月の半ばに(音源を)くれっていう条件で。でも絶対遅れるなと思って逆算して、で、ちょうどいいタイミングで仕上がりました。それが「Trues at BLUES」(最新アルバム)です。
じゅ:次のツアーのタイミングを見越してじつは計画的にやっていると。
フラ:そうよ。だらだらはしてるけど、この2〜3日で何曲書こうとか決めてやってるんよ。
じゅ:じゃあ曲を二人で合わせるのはツアーのちょっと前とかになるの?
フラ:音源を聞きながら合わせる。
じゅ:それは個人個人で?
鶴坊:全然。スタジオ入ったことないよ。熊本ではあるけど。
じゅ:じゃあツアーが東京から始まるとしたらその前に合わせるだけ?
鶴坊:ううん。飲むだけ。飲むか、CD詰めるか、おみくじに大吉って書くか(グッズ)、濱くんが泊まりに来てちょっと遊ぼうと思ったら全然帰る気なくて泊まる気だったり。飲んだだけやったもんね。
フラ:うん。まあいちおCDは聞くけどね。
鶴坊:音楽的なところで言うと、長渕聞いたり、たまのベースの人について語ったり…。
じゅ:ツアーは割と密にライブが入ってるでしょ。その間にだんだん曲の形が出来上がっていく感じなの?それともあんまり変わらないの?
鶴坊:いや、ちょこちょこ変わるよ。
じゅ:どんなふうに?
フラ:よくなったり悪くなったり。
鶴坊:だいたい思いつきとか悪ノリとか。でもその悪ノリのお陰で発展できたり新しいことができたりとか。いろいろ遊びながら作ってるな。
じゅ:うん、楽しんでやってるのは伝わってくるよ。
フラ:でも(今日の対バンの)大学生に受けたんかどうかわからんかったけど、打ち上げは楽しかったな。
鶴坊:でもあのハマタニくんは終わってすぐ話しかけてくれたよ。ああいうの見ると、ちゃんと練習してるバンドはステキだなと思うけど…。
鶴坊:栗本さんが(お好み焼きの)ソースに夢中になってる…笑。
(一同笑)
じゅ:ちなみにお二人はソロの練習するんですか?
フラ:弾き語り用に?俺とか栗本さんはするよ。常識よ。
じゅ:鶴さんはせえへんの?
鶴坊:うん。
じゅ:まじで!あと聞きたかったのが、音楽を作る人は、曲を作ろうと思って作るのか、天から降りてくるか、どっち派ですか?
鶴坊:曲は作ろうとしてかな。詩は降りてくるかな。どっちが先だったりどっちが後だったりする時期はいろいろあるけど。
フラ:僕は基本的に両方作って歌詞を後から修正する感じなんやけど。今日は、平日で2時半に栗本さんの家の近くのお風呂屋さんに行って、そのお風呂に行く感覚も楽しくて、入った途端、番頭が女の人できれいな人やって、その女性がきれいなのにびっくりして、その後に風呂入ったら、じいさんの****が垂れ下がっとって、それを知ったうえであの女の人はきれいなんかなと思ったらきゅんときて、俺はもう若いあのきれいなおかみさん、じいさんの****見放題っていう歌がすっごいループで流れてそれを作って今日のライブでやろうと思ったけど忘れてしまって。だけどそんな感じで曲を作ってます。
じゅ:日々の出来事から作ってるって感じ?
フラ:そうだね。
じゅ:ツアー何本ですか、今回?
フラ:9連続の9本。
じゅ:今日何本目?
鶴坊:(指折り数えながら)4日目。
フラ:寂しいなあ。
鶴坊:寂しいねえ。
じゅ:終わるのが寂しい?
鶴坊:毎日100%楽しく過ごしてるよね。
フラ:(初日の)下北沢も皆さんに支えられました。
じゅ:雪の中、すごいよね。
フラ:午前中、雪が降ってて、リハは4時からだったんだけど、まだ雪だったんよ。電車だと行けるかどうかわからんけん、生意気ながらタクシーを使わせてもらったんよ。だけどタクシーでももしかしたらリハ遅れるかもってくらいで、それでリハが終わった段階で雪と風がやんでて、それから皆さんいらしてくれて、あの雪がもっと続いてたらどうなるかわからんかったし。
じゅ:ないと思って聞くんだけど、このツアーで目標っていうのはあるの?
フラ:あるよ、いっぱいいあるよ。
じゅ:例えば?
(けっこう長い沈黙)
鶴坊:まあでも人数はあるよね。
フラ:でもそれはたまたま東京で達成して欲張っちょるだけやけど、達成する気はなかったし。
鶴坊:ふふふ、そやね。
じゅ:えっ、なかったの?
鶴坊:もちろんしたいけど…。
じゅ:難しいちゃうんかなとか?
鶴坊:いや、難しいとも思ってない。もちろんできるだけ努力はしてるから。
フラ:入っても45から46人くらいだと思ったの。晴れて予約通り来てくださったらね。そういった意味で何もない。だから欲張りになっちゃう。北九州でも。
鶴坊:最大の努力は尽くしますが、何かしたからといって劇的に増えたり減ったりすることはなくて。いいライブをすることしかないね。
栗本:もう1本飲みませんか?