アイアムじゅんこの「そこにおすわり!」vol.4
ロボピッチャーの伊藤忠之さんに座ってもらいましたー

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じゅ:ちょっと話が変わるけど、野音(3月末に大阪野外音楽堂で行われた「SAL CULTURE」にトップバッターとして出演)どうでした?

伊藤:野音はねー、よかった!すごく天気がよくて。だんだん寒くなっちゃって、けっこう大変やったけど。

じゅ:伊藤さんはイベントの運営にも関わってたの?(このイベントはボーカル加藤さんが中心になっていたので)

伊藤:全然タッチしてなくて、ロボピッチャーのメンバーとして当日行って演奏しただけ。

じゅ:今までやった中で一番大きいくらいの会場でしょ。しかも野外でしょ。

伊藤:単純に大きいところはいいなあと思った。

じゅ:開放感がある感じ?

伊藤:大きいほうがたくさんお客さんが入るし、たくさんの人に聞いてもらえるから好き。あとは邪魔なものがない空間、開放的で広いところのほうが、ロボピッチャーの音楽とか加藤君の声はきれいに響くかな。

じゅ:うん、それは思った。なんかね、トップバッターだったけど、ロボピッチャーの演奏ですごい空気が変わった気がしたし、イベント始まるんだなって雰囲気が盛り上がったし、ロボピッチャーが最初でよかったなと思った。時間短かったけどね。

伊藤:そのへんが難しいところで…。主催者でもあるわけだから、自分たちが時間をおすようなことがあってはいけないから。かなりタイトなステージ転換があるので、それを逆算して1曲少なめ、30分だけど25分くらいで終わるセットリストを作ってやろうと。ましてやMCでおすことがあったら最悪やし。自分たちのイベントのときは口数が少ないというか、無駄なことは言わないっていうスタイルが最近、定着しつつある。

じゅ:公式サイト見たら、5曲のうち3曲が新曲、まったく初めてのお披露目で、あとプラス1曲が…。

伊藤:去年のボロフェスタ(毎年秋に京都で開催される加藤さんたち主催のイベント)のちょっと前に新曲としてできた曲で、たぶんそのときのボロフェスタくらいでしか演奏してないからほぼ新曲。

いとうさん

じゅ:ライブするのは久しぶりだったでしょ?それに対する気負いみたいなものはあった?

伊藤:うーん、気負いはあんまりなくて。厳密に言うと、練習でメンバーが集まってスタジオに入るまではあったかもしれないけれど、実際に音を出してみると、いつも通りでいつもの感じで。

じゅ:じゃあ、それはすぐに切り替わったんだ。ライブはどのくらいお休みしてたんだっけ?

伊藤:ええと、みやこ音楽祭(毎年12月に京都で開催されているイベント)か、そのあとの東京が最後か…。まあ3ヵ月ちょっとのもんだけど。

じゅ:でもそれまで頻繁にライブをやってたのに比べたら、けっこう長いお休みだったでしょ。

伊藤:そうそう、月1か、1.5ヵ月に1回はライブしてたので、そういう意味では空いてしまった。

じゅ:それはみんなで自発的に休もうってなったの?

伊藤:あのね、「新曲ができねー!!!」と。ライブの練習が精一杯で。それぞれメンバーがロボピッチャー以外にもいろんな活動をしてて、集まって練習時間を長くとるのもなかなか難しくって。新曲っていうのは、さっき言ったみたいに何度もやりとりがあって完成するスタイルが基本だと思ってるから、このサイクルを続けてる限りは次の展開が見えない。だから一度動きを止めてちゃんとがんばって新曲を作ろうと。

じゅ:お休みとってよかったですか。

伊藤:それが全然お休みという感じがしなくて…。早く演奏したかった。演奏しないと仕事で家にこもっちゃうんで。

じゅブログに、「全然人と会ってない」って書いてあって、伊藤さん、大丈夫なんやろか…とか思った。

伊藤:今どきの音楽の仕事ってインドアだから。家の中で全部完結して納品はメール。全然、家から出ない!サイクルを作ってライブをちゃんとやるっていうのは自分にとって必要だなとあらためて感じた3ヵ月でした。バンドってほんとにいいなって休んでみてあらためて思った。

じゅ:休んでよかったんだろうね。のちのち、あのときの3ヵ月があったから…っていうのは出てくると思う。

伊藤:やっぱり時には止まって考えるのも絶対必要。同じサイクルの中でわかんなくなってたこともあって。そういった中で客観的に自分を見つめられたり。小さいお休みっていうのはおすすめしたい。休みってけっこうターニングポイントになるから。

じゅ:落ち着いて物事を考えられる時間って必要だよね。それはすごい思う。

伊藤:それがあってまた走り出す。エンジンになる。

じゅ:バンドやってて楽しいって思うのはどんなとき?

伊藤:バンドって一つの集団で、4人で音を出して、それがばっちりはまって、それが空間を伝わっていく。そういうときが一番素晴らしい!

じゅ:それはライブってことなのかな。

伊藤:うん、つまりはライブ。それってやっぱりすごいことなんだ。4人で一つのサウンドになる。

じゅ:レコーディングはレコーディングで違うおもしろさみたいのがあるんだよね?

伊藤:うん。あるけど、基本はライブをするようにレコーディングをしてる。実際はみんなばらばらに演奏してるんだけど、気持ちとして、心構えとして、「これは4人の音なんだ!」というのがあれば、ばらばらに演奏してても感じは出るよね。

じゅ:そのへんの気持ち的なものはしっかりしてるような印象は受けますね。

伊藤:レコーディングとライブは、やってることは全く別のようで、でも変わらない。

じゅ:目指してることっていうか、やりたいことは一緒なのかな。

伊藤:うん。だからCDを聞いてもらったら音に凝ってるイメージはあるけど、じつはライブとやってることはほとんど一緒で、ライブで出してる音をそのままCDにしてるだけ。そんなにややこしくないよ。

じゅ:一度、ソロライブをやってるでしょ。私、行けなかったんですよ。次の予定はないんですか?

伊藤:よくぞ聞いてくれました!

じゅ:おっ!!!

伊藤:ほぼ準備は整ってるっていうか。ソロライブやったのは2年前かな。それからまた曲を書き留めて、だいぶできたのでそろそろ表に出てやろうかなと思ってる。けど、誰といつどこでやるかっていうのが決まってなくて。それさえクリアになれば、2回目のライブやりたいなって感じ。

じゅ:そうなんや!

いとうさん

伊藤:ちょっと今、新しいユニットも準備してて。

じゅ:あら!

伊藤:それもお披露目がてらソロライブで何曲か演奏したいなと。近々やろうとは思ってて。

じゅ:近々っていうのは今年中くらい?

伊藤:なるべく早いうちに。新しいユニットの最初のライブを今年中に組むつもりだから、それまでにはソロライブをやろうと思って。

じゅ:新しいユニットのこと詳しく聞いてもいいですか?

伊藤:話せる範囲で(ニヤリ)。

じゅ:どんなメンバー構成ですか?

伊藤:一切ヒミツです。

じゅ:何人ですか?

伊藤:何人かなー。今、計画でいうとものすごい多いけど、どこまでがメンバーでどこまでがメンバーじゃないかが。核になる人間は少ないけどまだ調整中で。なんかパーティーをやりたいなと。ファーストライブまで一切ヒミツですっていうのが取り決めになってて。

じゅ:ユニット名とライブ日と場所だけ告知してあとは来てからのお楽しみみたいな?

伊藤:ちょっと人によってはびっくりするかもしれない。

じゅ:えっ、この人と!みたいな?

伊藤:うん。

じゅ:うわー、めっちゃ楽しみ!それじゃ最後にこれからやっていきたいことを聞かせてください。

伊藤:基本はこれからも変わらないけど、少しでも自分たちの音楽がたくさんの人に届くように努力したい。それが一番苦手なところなんで。

じゅ:伊藤さん自身が?

伊藤:うん。ロボピッチャーもそういうことがそんなに得意じゃなくて。自分たちのことになると意外と不器用なんで。なんか器用な人たちだと思われてるけど、音楽だけで精一杯になっちゃって、どうやって宣伝したらいいのかとか、自分たちの音楽をどうやって言葉にしたらいいかとか、自分のサウンドに的確な言葉を用意できないっていう…。

じゅ:すごく意外…。

伊藤:だからそこは努力していきたい。音楽に関しては、今までもこれからもいい意味で変わらないし、チャレンジを続けていく。これからもそれは変わらないけど、もっとたくさんの人に聞いてもらいたいっていうのはあって、それはもっと言っていきたいです。決して分かる人だけわかればいいってつもりはなくて、ものすごいたくさんの人に届けたいと思って。そのためにできる努力をしたいと思っております!


(おわりです)