アイアムじゅんこの「そこにおすわり!」vol.2
vol.2は「CROVER」に座ってもらってます(後編)



じゅ:嶽さんはもともと一人でやってたんですか?

:いや、ずっとバンドをやってて、バンドばかりです。

じゅ:歌詞はどちらが書かれるんですか?

マコ:歌詞もこっち(嶽さん)が書いて、それの文句を言う係が俺です。

:もういい役割ができてるんです。

マコ:小姑のようにスタジオでもちくちくちくちく…笑。

じゅ:でもそれはむかつかないんでしょ?

:いや、むかつきますよ。

じゅ:そうなんだ、顔に出ちゃうんだ。

マコ:「でもー」とか言って。

:で、納得すれば私も無駄に意地を張ったりはしないんで。ああ、それはわかった、みたいな。

マコ:俺が思ったことをすぐに言っちゃうんで。

じゅ:へー。二人だと仲がこじれちゃったときは大変そうなんて思うんだけど?

マコ:それはないかな。普段あんまり遊ばないから。

じゅ:目的がある時に会うって感じ?

マコ:ほんっとに遊ばないですよ。

:「遊ぼう」とかって言ったことないし…笑。

マコ:バイト以外、プライベートで何やってるか全然知らないし。とりあえずね、いい曲を作りたいってことだけなんですよ。

:そうだね。

じゅ:公式サイトで曲を視聴させてもらったんだけど、嶽さんに今日初めて会ったときの印象が歌そのものだったの。すごい朗らかで明るくて。

マコ:へー、そうなんだ。

:はははは。

マコ:でも(嶽さんは)自分からは行けないタイプなんだよ。来る人はウェルカムなんだけど。シャイなの。

じゅ:そのサイト見てたら、けっこうコンテストとかでいろんな賞をもらってるでしょ。それはあえてそういうのに挑んでいた時期があったの?

マコ:CROVER自体がそんなにライブバンドじゃないから。ライブがいいっていうのは前提であるんだけど、ライブでやりまくる感じでもないし。それでコンテストにも出してみようかと。

:そうそう、それが結果的に賞をもらったり。

じゅ:でもメインはライブでしょ?

マコ:うん、今のところは。パンク系のバンドみたいに全国ツアーというわけではなくて。もっと一回一回大事にやりたいなと。

CROVER

じゅ:ライブ終わってからミーティングとか反省会とかするの?

マコ:二人でね。

じゅ:どんな話が出るの?

マコ:あそこミスったよなとか、(声が)裏返っただろとか。今日も大阪来る途中に車で前のライブのDVD見ながら来たよ。

じゅ:そういう記録とかはスタッフさんがやってくれるの?

マコ:ボーカルママが…笑。

じゅ:ほんとのママ?

マコ:うん。ちゃんと応援されてるの。

:うちのお母さん、ちょっと変わってるんで。ライブとか行きまくってるんですよ。

じゅ:誰が好きなの?

:GLAY!

マコ:意外なんだけど!

::GLAYを追って北京まで行くオンナですから!

じゅ:すごいねー。

::だからインディーズとかもすごい好きです。

マコ:すごいなー、ROCKだなー。

:だから音楽やるのは全然普通。

マコ:むしろいろいろ言ってきますよ。

:そう、本気で聞いてるんで、応援するっていうか(マコリンと)結構似てるんですよ。ちくちく言ったりするのとか。あそこがいっつもダメなのよ!とか。

マコ:こないだライブ後に軽く打ち上げしたときにお母さんもいて、ちくちく言うのを初めて聞いて、俺に似てるなと思った。

:もっとちゃんと周りを見たほうがいいよとか。ライブにいつも来てくれてありがたいんだけど、目が本気だなと。微笑ましくないなと…笑。

CROVERの嶽さん

じゅ:CROVERで今後、もっとライブをこうしたいとか、新しいシングルを作りたいとか近々の目標はありますか?

マコ:ライブはやりたいっていうのはあるけど、バンドでやるのはここぞってときにしたくて、二人でやってるから、二人でしっかりしたものを届けられるようにしたいっていうのはある。

じゅ:それはライブを二人でしたいっていう意味?

マコ:そう、弾き語りで。いろんな案があるけどそれを形にできたら。そういうのがないと二人でやってる意味がないし。

:結局、二人になったら何もできなくなっちゃう。

マコ:新曲もいろいろ計画はあって、まあ来月(3月)にレコーディングはするんだけど、どういう形で出すかっていうのがまだ…。

じゅ:それはネット配信したりとか?

マコ:うん、まあどうだろうな、もしかしたら世に出さないかもしれないし。密かに内部用にしたりとか。

じゅ:プロモーション用にしたりとか?

:そうですね。もちろんいい出来に作り上げたいから、売れるところまでは持っていきたい。

マコ:今までは他のレコーディングスタジオに頼んで人にやってもらうのが多かったんだけど、今回は自分らでやってみようかなと。そういうのもあって試験的に。どうするかはまだ未定。

じゅ:まだ二人になって間もないし、これから形が作り上げられていくのかな。

マコ:まあそれも含めて。他に頼むと時間が限られるからいろいろ試せないの。自分たちでやれば好きなときにいろいろ試せて、これいいんじゃねとか。より凝りたいなと思ってね。

じゅ:ライブに対する心構えとレコーディングに対する気持ちって違うものなのかな?

マコ:根本は一緒だけど、表現の仕方が変わる。届けたい、いいものを作りたいっていう気持ちは一緒だけどね。レコーディングだとリズムに合ってるかどうかっていうのをシビアに気を使ったりするけど、ライブはもっと別の場所だと思う。空気もあるし、曲以外でも伝えられる部分がいろいろあるし。MCの内容とか振る舞い方とか…。

じゅ:ライブのときはどんな感じなの?

マコ:まあ俺は、動きますね。なんとなく。

CROVERのマコさん

じゅ:嶽さんは?

:私もわりと動きますね。

じゅ:お互いのこと見たりするの?

マコ:俺はものすごい見ますね。見て、よく笑ってます。

じゅ:それは何?動きがおもしろいの?

:私の動きがおもしろいらしいんですよ。私は前を向いてるからあんまり(マコリンのことは)見てないけど。

じゅ:すごいライブを見るのが楽しみになってきた…笑。

じゅ:マコリンはバンドの他にサポート活動もしてるでしょ?

マコ:うん、今はサンプリングサンでキーボードとボーカルやってた田鹿祐一っていうのと、あと若い女の子のSAKiちゃんっていう子、あとちょこちょこやってますね。

じゅ:サポートをやることでCROVERに戻ったときどう?

マコ:ああ、それは役に立ってる。田鹿祐一は、元ちとせとかに曲書いてるのね。その人の曲とかコード進行に自論を持ってて、飲み会とかでそういう話を聞くとおもしろいし勉強になります。それを持ち帰って、俺がCROVERでコードとメロディのぶつかり具合が気になるところを修正したり。CROVERにいるだけじゃわかんないこともあるし。まあ、それぞれ足りないところもあるから、どうやれば補えるか考えたり。

じゅ:お互いにこうしてほしいとか望むことはある?

:二人になっていろいろ話すようになったので今のところは…。

マコ:ギターがもっと上手くなったらいいなと。ほんとは鍵盤を入れたいんですけど、なかなかこれだっていう人がいないから。今は、割とギリギリな音数でやってることがあって。ボーカルとたまにアコギを持って、ベース、ドラム、ギター、たまにコーラス。けっこう、ポップスの世界だと足りない感じがする。

:ほんとはキーボードの音が欲しい楽曲もあるし。

じゅ:キーボードがあるとすごい変わったりするよね。音に彩りが出るというか。

マコ:そこでアコギを持つ曲とかがあるから、もうちょっとギターが上手くなると音が広がったりしたりするんだけど、まああんまり練習しすぎて曲作りがおろそかになっても困るしね。メインはボーカルだから。

:そうですねえ…。

マコ:まあ鍵盤の人がいれば一番いいんですけどね。誰でもいいわけじゃないから難しいよね。でも逆に鍵盤がいないことをどうカバーしていくかを考えるのが楽しいよね。

:そうですね。

CROVER

マコ:まあいろいろ文句もありつつ…。スタジオとかではあんまり自分の音聞かないですよね。人の音ばっかり。そうするとどうしてもいろんなボーカルの声が耳に入ってくるから、それでいろいろ言っちゃうんですよ。

じゅ:ちなみにマコリンはどんな音が好きなの?

マコ:俺はねえ、極端ですね。割と最近はしぼられつつあって、何だろうなあ、とりあえずキャッチーなのが好きなんですよ。

じゅ:それはCROVERに通じるとこもあるのかな?

マコ:キャッチーは目指してるところで、自分のギターも細かいことをいろいろするよりもキャッチーなことが好き。そういうのは心がけてる。結局音楽もどこかにキャッチーさがないと。キャッチーっていうのはいろいろ意味が深くて、聞きやすいのがキャッチーってわけじゃなくて、変なのもキャッチーだったりするし。だから変なのを聞かないわけでもないし。

じゅ:ポップスだけじゃなくて、キャッチーっていうのが自分の中でキーワードになってて、それにひっかかるものを聞くって感じかな。嶽さんはどうですか?

:私は雑食ですね。

じゅ:ママンの影響でGLAYとかですか?

:それがね、聞いてないんですよ。「真面目に聞いたほうがいいよ」って言われてるんですけど…笑。

じゅ:じゃあ最後に今日のライブの意気込みを聞かせてください。

マコ:まあねえ、CROVERで初大阪だからね。

:そうだねー。

マコ:何か残していけるような、せっかく朝、眠い目をこすりながら到着したわけだから。

:ワクワクとドキドキと変な動きと…笑。何か残したいなと思います。

【終わりに一言】
ネットでの視聴に耳が慣れていたせいか、実際にライブを見てみると、躍動感あふれる楽曲に驚きました。嶽さんはとてもアグレッシブ。そしてマコリンのギターは豊かな表現力にあふれてました。自信を持ってオススメしたいユニットです。今後の活躍に期待してます。